1. 最も危険な死と隣り合わせのバイクレースマン島TTレース

最も危険な死と隣り合わせのバイクレースマン島TTレース

マン島TTレースってどんなレース?

毎年5月の終わり頃に、一流のオートバイレーサーのみが出場を許されているレースが開催されています。
それが、マン島と言われる島で繰り広げられる「マン島ツーリストトロフィー」です。

マン島とは、アイリッシュ海にある島のことです。
なんとこの島の公道をサーキットコースにし島を駆け抜ける、とても有名なイギリスのレースです。

このマン島ツーリストトロフィーこのは、通称マン島TTレースと呼ばれ親しまれています。
スーパースポーツやスーパーストック部門は、4周してラップタイムを競うタイムトライアル制です。
また、スーパーバイクやシニアは6周のラップタイムを競っていきます。

しかし、マン島TTレースの最大の特徴はそこにはありません。
時速なんと320キロものスピードを出しながら、立て看板、道路標識、縁石など様々なロード上の障害物を避けつつ街を疾走していく、通常のレースとは全く異なったレースとなっています。
10秒おきにスタートするというスタイルを取っているため、バイク同士でバッティングしてしまうことも少なくありません。

マン島TTレースで亡くなってしまったレーサーは、1907年以降なんと240人を超えているとも言われています。
少しでもミスをすれば命に関わってしまう、死と隣り合わせのまさに究極のレースと言えるでしょう。

5月から6月の間に2週間以上開催され、1907年以来モーターサイクルロードレースの中でも最も過酷なものとして知られています。
そのため、現在は登竜門レースとも言われるマンクスグランプリというレースで実績のある一流のレーサーだけが参加できるようになっています。

マン島TTレースの歴史について

マン島TTレースが始まったのは、1904年のことです。
19世紀末には、バイクや自動車などがモータリゼーションの先進国であるヨーロッパやアメリカなどで作られ始めました。
バイクや自動車を作るメーカーや運転する人が増えることに伴い、自然の流れでレースが生まれたのです。
初めての国際レースは、1900年にフランスで開催されています。

レース文化がなく、蒸気機関車の開発に成功したことで自動車やモーター産業で後れをとっていたイギリスが焦ったのがマン島TTレースの始まりと言われています。

コースの特徴を解説

マン島TTレースのコースの特徴は、やはり公道だということです。
様々な障害物が路上にあるため、巧みに避けながら走る必要があります。

また、コースの長さやコーナーの多さも見逃せません。
一般的なサーキットはおよそ全長が4.8km、3マイルほどで、コーナーは10から20に抑えられています。
しかしマン島TTレースでは全長がなんと60.7km、つまり37.73マイルもあります。
コーナーに至っては219箇所もあり、これだけでもかなりの運転技術が求められることが分かります。