ハードエンデューロの最高峰が集まるレース
同じバイク好きの中でも、オフロードは通常のロード走行と趣が異なります。
オフロードを体験できるサーキット場も全国各地にありますが、そんなオフロード好きが注目するのが「エルツベルグロディオ」です。
オフロードレースにもいくつか種類があり、「モトクロス」「トライアル」「エンデューロ」「ラリー」と分類されています。
その中の一つである「エンデューロ」は、モトクロスのようにスピードを競うものとは異なり、激しい起伏や障害物のある路面を走行するテクニックを競うものです。
実際の公式競技に使用されるコースでは、大人の背丈ほどもある障害物があったり、歩いて渡るだけでも大変な泥道があったりと相当に過酷です。
ちなみに「ハードエンデューロ」という名称は日本独特のもので、海外では「Extreme Enduro(エクストリームエンデューロ)」と呼ばれています。
ハードエンデューロは日本でも人気のあるオフロードレースで、G-NET(ジーネット)という名前で開催されているものです。
どちらかというと関西方面の方が人気が高いようで、大会も西日本方面で行われることが多くなっています。
一方海外では日本とは比べ物にならないほど盛り上がりを見せており、中でも「Erzbergrodeo(エルツベルグロデオ)」はハードエンデューロの世界一を決める最も有名な大会なのです。
エルツベルグロデオの概要と楽しみ方
エルツベルグロデオはオーストリア鉱山であるErzbergで行われていることから、その名称が使用されています。
大会では世界中から1500人以上ものライダーが集まって開催されます。
コースは世界一過酷と言われているままに非常にタフで、相当にベテランのライダーでないと完走することができません。
中でも最もハイレベルな大会となるのがRed Bull Hare Scrambleで、2つの予選を2日間に渡って開催したのち、上位500人に入ったライダーのみが参加できるようになっています。
コースをゴールするためには最短でも4時間程度がかかり、当然のことながら無事にゴールできるのはわずかな人数しかいません。
このエルツベルグロデオで面白いのは、単純にライダーの腕前やマシンの性能だけで成績が決まるわけではないということです。
場合により他の選手から助けをもらったり、臨機応変な対応をしないといけなくなるなど、人間力が試されます。
さらに運の要素も強く、実力のあるライダーが何年も優勝できない、というような番狂わせも普通に起こります。
一般観戦者も多く、地元産のビールを飲みながら楽しむというお祭りの要素もあるのがこの大会です。