それぞれのマシンの個性がわかるとMotoGPはもっと楽しい
「MotoGP」はバイクメーカー各社がとにかく速く走ることができるバイクを開発しようというコンセプトで行っているので、毎年のように新しいシステムが登場するという楽しさがあります。
しかし一見同じように見えるバイクも、内部の構造にはそれぞれのメーカーごとの個性があり、その特長がレース展開に直接影響を与えてくることもあるのです。
MotoGPの楽しさはそうしたバイクメーカーの個性と一流のプロライダーのセンス、それにピットのチームとの連携という要素がどんなふうに合わさっていくかを見るという点にあると言ってもよいでしょう。
仮に優秀なマシンを開発しても、それを乗りこなせる腕前のライダーがいなければ性能を十分に発揮できませんし、逆にライダーの腕前がよくてもマシンのパワーがなければ追いつくことができません。
そういう意味でレース展開を決める重要な要素の一つであるマシン性能は、MotoGPを観戦する時にはぜひとも詳しくチェックをしてもらいたい点です。
ちなみにMotoGPに出場するバイクメーカーはレース用の一定の制限の中で、いかに効率よく動かせるかということを研究するワークスチームを作っています。
ホンダの場合は「HRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)」という名称で、メーカー直々に開発・運営・指揮をしています。
このワークスチームには他の企業がスポンサーにつくということが慣例になっており、HRCの場合はスペインの石油とガスを扱う複合多国籍企業が毎年スポンサーとしてついているのです。
バイク本体や選手のウェアなどに使用されるチームカラーがこのスポンサー企業に大きく影響されることはよくある話で、HRCの場合はレプソルのロゴマークに使用されているオレンジ・白・赤がラインに使われています。
パドックパスを購入すれば実際に整備しているところが見える
MotoGPのレース場では、そのレースに使用されるマシンの詳しい解説をしてくれるワークショップも開催されます。
ピットのすぐ裏手にあるパドックでは、複数のチームがそれぞれに歩き回り挨拶をするという、一種の社交場のような雰囲気です。
一般観戦者はこのエリアに立ち入ることができないのですが、別途販売されているパドックパスを購入することにより、実際に開発を担当している人たちから技術解説を受けることができます。
このパドックパスは毎年大人気となっており、抽選で20名ほどしか購入をすることができません。
最新のMotoGPのマシンは効率ということに非常に力をおいており、そのための工夫が各チームごとに説明されます。